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世界情勢が急速に冷え込んでいっている今、再び核兵器の使用がほのめかされている。

多くの犠牲者が出た広島への原爆投下から77年が経ち、それを忘れたかのごとく同じ過ちを繰り返そうとしてる。

人類は学ぶことをしないのか。

本作では、2016年にオバマ元米大統領が広島訪問時に抱き寄せられた森重昭の生涯を追いかけた。「原爆が投下された広島にアメリカ人もいた」という事実を追いかける森の強い想いと行動がアメリカ政府をも動かし、世界に衝撃が走った。

被爆したアメリカ人捕虜に所縁のある場所などを森自身が、妻・佳代子と改めて辿る。

惨禍の広島で救助活動を行った外国人神父たち。活動の中心だった今は亡きアルペ神父やチースリク神父と接していた人々にもインタビューを重ねた。

そこには人種を超えた結びつきが確かに存在していた。

被爆者にとって「空白の10年」と言われていた時期があった。被爆者への医療、経済的援助が乏しく、差別・偏見も多い中で自力で生きていくしかない状態であった。その被爆者たちのために被爆者手帳取得のための制度を作るために尽力した、増村明一への思いも聞く。森の妻である佳代子の父である。

また被爆者健康手帳(被爆者手帳)の取得をあえて拒む人々も存在した。差別を恐れ、被爆者であることを知られたくないなど、複雑な心境の中での決断だった。長い年月を経て事実を受け入れる心の準備ができた今、取得を目指す人をサポートする者もいる。

そこに見える思いとは…。

原爆と言う悲劇の中にある、「人のため」を思う心。 この時代に問いたい。